しおりビルヂング

趣味ブログ。本を紹介したり、ガジェット紹介したり。マーケティング、投資、ビジネス、統計、数学についても解説したりもします。

オンリーワンよりナンバーワン

新約聖書 マタイによる福音書の次のような一節があります。

 

〈誰でも、持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる〉

 

これにちなんで、富めるものはますます富み、貧しい物はますます貧しくなるようなことをマタイ効果といいます。

 

経営戦略で有名なランチェスター戦略では、とにかくどこかのセグメントやドミナントでNo.1シェアを獲得することを目指します。

No.1さえ獲得できれば、No.1になって得られる影響力、資金力やブランド力、知名度や人材を活用して、さらに差を広げることも可能です。

No.1シェアを獲得するために一番簡単なのは、その市場に一番最初に参入することです。その場合競合はいませんし、必然的にNo.1となります。後から参入してきても、それまでに参入障壁を築いたり、知名度や先に参入したノウハウを生かしてNo.1をキープできます。

一方で既に出来上がっている市場に後から参入する場合、この場合はどんな大企業であっても弱者となりますが、弱者の基本戦略は差別化です。市場に参入してシェアを上げていくためには、差別化戦略が必須となります。

 

今回紹介する本は以下の本です。 

ネットワーク科学 (サイエンス・パレット)

ネットワーク科学 (サイエンス・パレット)

 

 

この本は様々な現象の繋がりをネットワークとして捉えて、そのパターンを研究する学問の最先端を解説してくれる良書です。

 

生物学的にも食物連鎖や神経、シグナル伝達など様々なネットワークがありますが、

社会的には資金の流れであったり、人脈、航空網、インターネットなど、この世の中には様々なネットワークが存在します。

 

本書ではコンピューターでのシミュレーションなどで、そのネットワークを様々な視点で構築し

それを観察するという研究がメインで紹介されています。

その研究成果の一部を本書か引用します。

 

他の多くのシステムをネットワークとして表すと、同様に非常に多くのつながりを持つ頂点、言い換えればスーパーコネクターが存在する。そして、多くのネットワークにおいて、「勝者総取り」の傾向が見られる。すなわち、少数の頂点がネットワークの枝の大部分を引きつけ、それ以外の多くの頂点は残りの枝を分け合うことを余儀なくされる。

 

これはまさに先に述べた、マタイ効果と同じであり

ランチェスター戦略でナンバーワンを何がなんでも獲得する理由と同じです。

 

優先的選択という仕組みからすぐに思い当たる結論は、ハブはたいていネットワークの古参の頂点であるということだ。なぜなら、古い頂点は「先行者利益」の恩恵を受ける機会があったからだ。

 

これも先に紹介したマーケティングで言う専攻優位性というやつです。

マーケットで一番最初に登場したものが、No.1シェアを獲得し続けることが多いです。

 

新たな参加者が勝負に加わる時累積優位性は完全にひっくり返されることがある。新規参入者は、既存の競合相手に比べてより魅力的な特徴をしばしば持つことがある。

 

これも先に紹介した、弱者の差別化戦略と一致します。

 

本書は純粋にコンピューターシミュレーション上でネットワークの研究結果ですが

このように読めば読むほど、巷で言われている経営戦略やマーケティング理論と一致します。

それはこの世の中の活動が全てネットワーク介して行われているからなのでしょう。

つまりネットワークを学べばこの世の中について更に知ることができるのかもしれません。

 

より深く経営戦略やマーケティングを学びたい人が、本書を一度読むと、さらに新しい発見や示唆が得られると思います。

 

ちなみにランチェスター戦略を学びたい人は、以下の本がkindle オーナーズライブラリにあまりす。

まんがで身につく ランチェスター戦略 (Business ComicSeries)

まんがで身につく ランチェスター戦略 (Business ComicSeries)