しおりビルヂング

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座標を回転させて、CS分析の改善度指数を求める

数学×マーケティングシリーズのCS分析編最終回です。

さて、前回までの記事で座標から角度を求める方法と、CS分析の方法を解説しました。
 
今回はCS分析から改善度指数を求めて、改善すべき点の優先順位を求めます。
前回の記事のグラフはひと目で改善すべき点は「価格」となりましたが、下のグラフのような場合
改善点が多くどこから手をつけたら良いのかわかりません。
(購入意向を上げるためには、右下のポイントは全て改善するのが良いですけどね)
 

f:id:Hikari_22:20160227104944j:plain

 

改善度数の求め方

そこで優先順位を求めるために、改善度指数を求めます。
改善度指数の求め方は「距離×角度」です。
距離は中心点からの距離(上の図のL1やL2など)
角度は右斜め下45℃からの角度です。(上の図のθ1やθ2です)

 

前回例を出した消費者評価の結果から、改善度指数を求めたのが下の表です。

一番右の列が改善度指数となります。
この数値が大きい項目ほど優先的に改善していきます。
 f:id:Hikari_22:20160227105103j:plain
満足度をy,重要度をxとした時の距離は簡単に求められますが角度を求めるのはちょーっと面倒です。
そのためにまずスケールを合わせて、原点を調整して、座標全体を回転させるという操作を行っています。
 

y軸とx軸のスケールを合わせて、中心点を原点にする

まず前回のグラフは均一に分布していますが、実際はy軸は0~100, x軸は-1~1のスケールとなっており
これを右斜め下が45度となるように、スケールをあわせます。
今回はx軸(重要度の値)を50倍し-50~50のスケールにして縦・横のスケールをあわせました。
こんな操作勝手にしていいの?と思われたかもしれませんが、改善度指数はその数字自体に意味はありません。
数字の大小による優先順位付けが重要なので、数字の大小が変わらない操作なら問題ありません。
 

f:id:Hikari_22:20160227105246j:plainスケールを合わせたら、今度は中心値を原点にします。

現在の中心点は(0,50)なので、yの満足度から50を、xの重要度から0をひきます。
 
 

座標45度回転させて角度を求める 

ここまでできたら、これをプロットしたグラフを印刷して定規と分度器を使えば改善度指数は求められますが、スマートじゃありません。
次に右斜の線と各点を結んだ線を角度を求めますが、そのために座標全体を45℃回転させます。

f:id:Hikari_22:20160227105625j:plain(x,y)の座標を角度Aを回転した(x’, y’)は回転行列を用いて以下のとおりになります。

 
 
この行列から
x’=xcosA-ysinA
y’=xsinA+ycosAとなります。
 
上の行列式がよく解らなくても、エクセルで以下の数式を入れてオートフィルすれば一発です。
今回はA=45度つまりπ/4を代入します。
 
重要度C=重要度B*cos(-pi()/4)-満足度B*sin(-pi()/4)
満足度C=重要度B*sin(-pi()/4)+満足度B*cos(-pi()/4)
 
ここまで来たら角度を求めるのは前回の記事で紹介したとおりですatan2関数を用います。
求める角度θ=degrees(atans2重要度、満足度)で求めます。
 
さらにこの角度を修正します。
具体的には下図のような変換です。

f:id:Hikari_22:20160227105711j:plain

 これは=(90ーabs(角度))/90で求められます。
 

改善度指数を求める

もうここまでくればあとちょっとです。
原点からの距離は=SQRT(重要度^2+満足度^2)で求めますので、この距離と修正角度をかけると改善度指数が求まります。
 
先にも説明しました、この数字自体に意味はありません。数字の大小に意味があります。
この結果から改善すべき優先度は数字の大きい順に、価格>バラエティ感>美味しさ>容器>見た目>容量>栄養となります。
 
このようにして、acrtanや座標回転を使用して一歩上のマーケティングを行う事ができます。
ただ漫然とアンケート結果からなんとなく改善項目を満足度が低い順に改善していくのではなく、
このように改善度指数から改善項目を明確にすればより早く、効果的な打ち手を実施することができるのです。
 
今回の消費者評価の事例は本当に適当に数値入れただけなので、中心点を満足度50,重要度0で取りましたけど
皆さんが実施するときは、中心点の取り方は実際の数値に合わせてアレンジしてくださいね。
そもそも購入意向と相関がマイナスになるような質問事項は、改善のためのアンケートでは聞きません。
 
以上、3回に分けて解説しました数学×マーケティングの記事でした。
 

 

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