CS分析って活用していますか?
なんだか、計算とか解析とか複雑そうで、なかなか活用できていないのではないですか?
そもそもCSとはCustmor satusfaction(顧客満足)の略であり、CS分析とは顧客満足度を高めるために改善するポイントを見極める分析です。
例えば消費者アンケートの結果から、「顧客満足度」や「購入意向」を向上させるために必要な打ち手、つまり改善すべきポイントは何なのかという分析を実施します。
つまり、マーケッターにとって必須の分析技術です!
今回は、エクセルだけを用いて簡単にCS分析を実施する方法を解説します!
一部我流のオリジナル分析ですが、簡単に改善すべき項目の検討がつくということで結構仕事やブログ運営なんかで活用しています!
目次
まずは、架空の開発品の消費者評価を見てみよう
今回は具体例として架空の食品開発を事例として、消費者評価結果を解説したいと思います。
以下に開発中の新製品について、モニターに使用してもらいアンケートをとった結果を乗せます。
もちろん、この数値は適当に当てはめたデタラメなデータです。
今回のアンケートは非常に良い、やや良い、どちらでもない、やや悪い、非常に悪いの5段階評価ですね。
モニターには、開発品を実際に食べてもらい各項目について5段階で評価してもらっています。
各項目について、集計したデータが上記の表になります。
例えば、開発品について30%の人が栄養バランスについて、「非常に良い」と答えたという結果です。
この各項目の中で最も重要なのが「購入意向」です。
モニターさんは美味しさや価格、見た目などを総合的に判断して買いたいかどうか判断するわけです。
今回の結果だと、購入意向について「非常良い」が20%、「やや良い」が30%です。
決して悪い評価では無いでうすが、ヒットするためには、もっと購入意向が伸びてほしいなーという感じ!
消費者評価の結果からCS分析を実施!
今回のアンケート結果から購入意向を向上させるためには、開発品の何を改善すべきでしょうか?
購入意向以外にも美味しさや見た目など、購入意向に影響を与えそうな項目についても調査しています。
アンケートの設計時に購入意向に影響を与えると思う項目を、漏れ無く出せるかがマーケッターのセンスですね。
▼アンケートのセンス磨くには以下の本がおすすめです!
https://www.shioring.com/work/marketing22/CS分析のまず最初に、それぞれの項目について満足度と重要度を求めます。
例えば美味しさについて説明します。
満足度・・・顧客はこの開発品に対して、美味しさについてどれだけ満足しているか
重要度・・・顧客はこの開発品に対して、美味しさをどれほど重要だと思っているか
つまりおやつのような嗜好品だと美味しさが重要ですし、健康食品だと美味しさよりも栄養バランスの方を重要だと思っていたりします
美味しさだけでなく、価格や容量など各項目について「満足度」と「重要度」を計算します。
満足度は各項目の「非常に良い」と「やや良い」の割合を足します。
例えばこの開発品について、満足度は69ポイントということになります。
重要度は購入意向と各項目との相関係数を設定しています。
エクセルでの相関係数の求め方は 「=CORELL(購入意向の行, 各項目の行)」で求められます。
相関係数とはAとBがどれほど、相関関係にあるかと表す数字です。
相関係数が1に近いほどAとBは強い相関が、-1に近いほどAとBは強い逆の相関係数があります。
一方で相関係数が0に近いほどAとBは相関関係が無いことになります。
購入意向との相関係数が大きいほど、購入意向へ与える影響が高いことになります。
数学的に正確には、集計データではなくてアンケートのローデータを用いて相関係数を求めます。今回は正確性はかけますが、エクセルで簡単に計算できるオリジナル解析法です。
今回のアンケートの結果だと美味さと購入意向の相関係数は0.74です。
つまり、美味しさと購入意向はやや相関関係にあることがわかります。
続いて、各項目について求めた重要度と満足度を散布図でプロットしてみます。
右下にあるほど、購入意向に与えるインパクトは大きいのに、顧客が満足していないポイント=改善すべき点となります。
これでCS分析はほぼ完了です!
CS分析のグラフから、改善すべき項目を見つけよう!
このグラフを以下の1〜4のセグメントに分割します。
それぞれ1~4のセグメントは以下のように解釈できます。
1:重点維持項目
購入意向に与える影響力は高いですが既に顧客はその項目に満足しています。
この項目は絶対に満足度が下がらないように維持します。
今回のアンケートの結果だと、顧客は美味しさを購入の重要な指標としていますが、すでに現状の美味しさに満足している可能性が高いです。
この美味しさを維持しながら、改善を進めましょう。
2:維持項目
満足度は高いですが、購入意向に与える影響力は小さいです。
折角満足度が高いのでこのまま維持できればよいです。
今回のアンケート結果だと、栄養バランスの良さは顧客はすでに満足しています。
しかしながら、栄養バランスの良さは購入意向へそれほど影響を与えません。
なので、なるべく栄養バランスは維持しながら改善を進めましょう。
3:改善項目
満足度は低いですので改善の余地はあります。
ただし、購入意向への影響はそれほど高くないので、優先すべきで改善点ではありません。
今回だと、容量について顧客は不満を持っている可能性が高いです。
しかしながら、容量について改善しても購入へは結びつきにくいので、改善は後回しにしましょう。
4:最重要改善項目
購入意向に与える影響力が大きいのに、顧客は満足していません!
ここを改善できれば、購入意向を更に引き上げることが可能となります。
最優先で改善すべき項目となります。
今回のアンケート結果では、価格が顧客の購入意向に与える影響力が大きいのに、顧客の満足度は低いです。
つまり今回、最も改善すべき点は価格だということが分かりました。
ユーザーは美味しいので買いたいのだけけれども、価格が高くてなかなか購入へ結びつきにくい状況ですね!
より正確な改善項目の優先度付けについて
この先は少し数学的な内容も含みます!より深く理解したい人向けです!
今回のアンケート結果だと、明らかに改善すべき点は「価格」です。
でも、もっとたくさんの改善項目が抽出されると、改善すべき点の優先度をつける必要が出てきます。
その優先度をつけるための指標が改善度指数です。
実際のマーケティングプランでは、改善度指数が大きいものから優先的に改善していことが効率的となります。
改善度指数は上記で2次元プロットした各項目の座標の
(原点からの距離:L) × (y=-xの直線との角度:θ)で表されます。
原点からの距離 Lは√(x^2 + y^2)で求められます。
(x:重要度、y:満足度)
難しいのが、y= -xの直線との角度:θです。
座標から角度を求める方法については以下の記事で解説しています。
https://www.shioring.com/work/coordinate/ただ今回のCS分析では単純にエクセル座標から、x軸との角度を求めるだけはだめです。
座標を回転させて角度を求めるという、結構難易度の高い数学的な変換が必要です。
詳しくは以下の記事で解説していますので、チェックしてください!
https://www.shioring.com/work/csbunseki/【参考文献】